FAQ
ハーモニカFAQ【ハーモニカ・オカリナ等の通販・フジクラ楽器】
ハーモニカに関するよくある質問とその回答をまとめてみました。
さあ、あなたの疑問を解決しましょう。
ハーモニカ全般
Q、どのハーモニカを選んだらいいのですか?
複音ハーモニカ
Q、どの機種を選んだらいいですか?
Q、調子って何ですか?
Q、沢山調子があるんですけど、どの調子を選んだらいいのですか?
Q、木製のハーモニカが膨らんでしまって口に当たるのですが、削っても大丈夫ですか?
Q、昔吹いたハーモニカの配列と違うような気がしますが?
Q、楽譜は数字符なんですね。五線譜の方がいいのにどうしてですか?
10穴ハーモニカ
Q、クロスハープ(セカンドポジション)って何ですか?
Q、音が急に出なくなってしまったんですが?
クロマチックハーモニカ
Q、バルブ皮の付いているのと付いていないのがあるようですがどちらを選んだらいいのですか?
Q、音が出しづらいんですけど。故障でしょうか?
Q、音が出なくなり強く吹くと急にポンっていう感じで音が出ます。何が原因なのでしょうか?
ハーモニカ全般
Q、どのハーモニカを選んだらいいですか?
A、この質問には困らせられます。
ハーモニカと一口に言っても全く別の楽器です。トランペットとトロンボーン、ユーフォニウム、チューバを「ラッパ」と一括りにしているようなものです。
発音原理が一緒なのだから音を出すことは可能ですが奏法が違いますのでそれにあった奏法を身に付けないときちんと演奏することは出来ません。
童謡・唱歌、歌謡曲、懐メロ、演歌などを「ブンチャブンチャ」と伴奏を入れながら一人で吹きたければ複音ハーモニカを選んで下さい。
フォークギターやエレキギターなどと一緒にPOPSやRock、Bluesを演奏するのなら10穴ハーモニカを選んで下さい。多分ヴォーカルがいたり他の楽器がメロディを奏でたりするなかで、ハーモニカがメロディを取る場所があるなんて言うパターンかな。
ハーモニカがメインでクラシックやJazzの楽曲をピアノやギターその他の楽器の伴奏で楽しみたいのならばクロマチックハーモニカを選んで下さい。
複音ハーモニカは吹く音の穴と吸う音の穴が別々になっています。10穴やクロマチックは一つの穴で吹き吸いの音があります(一部の例外を除く)。
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複音ハーモニカ
Q、どの機種を選んだらいいですか?
A、複音ハーモニカの本体は木製のものと樹脂製のものがあります。木製のものは音色が好まれる傾向があり、樹脂製の方はメンテナンス性を高く評価されます。
音色に関しては主観になるため言いようがありません。私がいい音だと思っても皆さんがそう思うかは判りませんから。
どちらがご自身の求めているものなのか吟味して検討して下さい。以下は参考として客観性の高い項目のみ述べさせていただきます。
構造が若干違っています。トンボNO.1521に代表される木製ボディのものはボディをリードプレートでサンドイッチし、釘打ちで止めてあるのに対し、NO.3121は樹脂製ボディに埋め込み式でリードプレートを装着しビスで止められています。当然樹脂製の方はリードプレートの交換が容易に出来ます。スズキ木製ハミングは木製ボディですが特殊コーティングを施してあるので水分を含んで膨張することが少なく、ボディをリードプレートでサンドイッチし、ビスで止められています。スズキハミングは樹脂ボディですがボディをリードプレートでサンドイッチしています。この構造の違いで音がかなり違います。一般に埋め込み式よりサンドイッチされているものの方が評価は高いです。
ボディばかり気にして見落としがちですが、カバープレートも大変重要です。同じハーモニカでもカバープレートを変えただけで吹奏感(抵抗感)が全く変わります。イワサキソロを吹いていて抵抗感を感じる人はスズキハミングを吹いてみて下さい。同じハーモニカとは思えないくらい楽に音が出ます。「鳴りすぎるのでちょっと・・」って言う人がいるくらいですから。
トンボの複音ハーモニカは上段リードのピッチが高く調整されており、スズキは下段リードが高く調整されています。ハーモニカの調律は通常基準ピッチを決めそれに対してどのくらいの開きをつくるか決めていきます(これが複音「トレモロ」と言われる所以です)。トンボの場合は下段、スズキの場合は上段が基準ピッチとなります(スズキもSU-21W高級ハミングから下段が基準ピッチになりました)。上段リードと下段リードでは下段リードの方が狂いやすいです。何故なら唾が入るのが下段の方が遥かに多く下段のピッチが下がり易いのです。上段が基準ピッチですと基準ピッチは狂いにくいですがトレモロがなくなる恐れがあります。下段が基準ピッチですと基準ピッチは狂いやすい反面トレモロが無くなることは少ないです。どちらにも利点、欠点がありますので悩むところです。リードは狂いやすい(買ったその日のうちに狂ってしまうこともあります)のでご自身で調整できるようになるといいですね。
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Q、調子って何ですか?
A、複音ハーモニカや10穴ハーモニカには調子を指定する必要があります。この調子とは音階(Diatonic Scaleダイアトニックスケール)のことです。
例えばC調(ハ長調)とは、Cの音(日本語だとハ)を「ド」として「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」の長音階(メジャースケール)を作り、その音だけで構成されているハーモニカになります。
短音階(マイナースケール)には和声、自然、旋律短音階の3種類ありますが、ハーモニカで採用されているのは和声短音階(ハーモニックマイナースケール「ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ#・ラ」)と自然短音階(ナチュラルマイナースケール「ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ」)です。主に和声短音階が使用されていて、機種によっては自然短音階の設定があるものもございます。どちらも吹音は「ラ・ド・ミ」でそれ以外が吸音になります。
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Q、沢山調子があるんですけど、どの調子を選んだらいいのですか?
A、実はこの質問に対する回答が一番難しいんです。ケースバイケースなので詳しくお話を伺わないとお答えできません。従ってここでは初心者に対するお答えを記したいと思います。
一般的にはC調(ハ長調)のハーモニカを最初に持ちます。その後派生音(#やbの付いた音)を処理するため半音上のハーモニカであるC#調(嬰ハ長調)が必要になります。続いてマイナースケールのハーモニカに移っていきます。C調の平行調(同じ調号の長調と短調の関係)であるAm調(イ短調)のハーモニカです。その後その同名調(主音を同じとする長調と短調の関係)であるA調(イ長調)のハーモニカを手にします。
C、C#、Am、A調の4本を揃えておけばひとまずは安心です。ハーモニカ演奏に合わせて歌を唄うときはC調だと高すぎて唄えないことがあります。その時はA調やG調、Gm調を使うといいでしょう。
因みに半音奏法(CとC#のように2本持って半音を処理します)をするときは、主となるハーモニカを上にして持ちます。教本にはC#を上Cを下に持つと書いてあるものもありますが、Cが主となる場合はCを上に持たないと不合理です。ステージ上でそれをやると鼻で吹いているように見えますよ。
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Q、木製のハーモニカが膨らんでしまって口に当たるのですが、削っても大丈夫ですか?
A、絶対削ってはいけません。木製ハーモニカは水分を含んで膨張します。膨張したハーモニカをそのまま吹くと唇を切ったり、舌を痛めたりします。対処法はシリカゲルなどの乾燥剤(海苔や煎餅の缶に入っているやつ)を用意し、ハーモニカケースの中にハーモニカと一緒に入れて下さい。2、3日置いておくと元に戻ります。もう一度言います決して削らないで下さい。
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Q、昔吹いたハーモニカの配列と違うような気がしますが?
A、複音ハーモニカの配列には沢山の種類があります。
日本で最も多く使われている配列は複音配列と呼ばれています。これは吹き吸いの穴が交互に並んでいます。よく使う真ん中辺りはドレミがほぼ順番に並んでいますが、吹音は「ド・ミ・ソ」の3音、吸音は「レ・ファ・ラ・シ」の4音と数が違うため上や下に行くとズレが生じ順序よくは並んでいません。
それ以外に標準配列と呼ばれるものと正常配列と呼ばれるものがあります。
標準配列は吹き吸いの穴が交互に並んでいて、しかも「ラ」の右側も「シ」の右側も「ド」が配置してあります。上や下の音域でも順序が変わらないという利点がありますが穴数が多く必要です。「ドダブリ」とも呼ばれています。
正常配列は「ラ」と「シ」の音が並んでいます。しかし境界が他の所より厚くなっています。教育用シングルハーモニカで採用されています。昔小学校でリード合奏がもてはやされた頃子供だった世代(50~60歳くらいでしょうか)はこの配列を使用していました。
欧米の複音ハーモニカはこれらと違った配列を採用しています。真ん中あたりから上は日本の複音配列と一緒なのですが、下の音域では吸音の「ラ」が無く「ソ」になっています。これは、和音を奏でたときドミナントセブン(C調ならG7の和音)の和音が出るようにしているためです。低音部に「ラ」が無いので注意が必要です。
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Q、楽譜は数字符なんですね。五線譜の方がいいのにどうしてですか?
A、複音ハーモニカは曲のKEY(調子)によって持ち替える楽器です。即ちKEYによって楽譜の「ド」の位置が変わるのです。それに対応できる人はかなり少ないようです。私は子供の頃からピアノをやっていますので五線譜の方が慣れていますが、それでもこの読み替えは出来ません。多分多くの人がそうでしょう。数字符はこの必要が全くありません。ある意味ハーモニカのポジションを表しているようなものなので一度憶えてしまうと楽です。ハーモニカを持ち替えるだけで転調が簡単にできてしまいますから。
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10穴ハーモニカ
Q、クロスハープ(セカンドポジション)って何ですか?
A、10穴ハーモニカのことをブルースハーモニカとかブルースハープ(これはHOHNERの登録商標)と呼びますが、その名の通りブルースを演奏するのに使うんです。
ブルースのスケール(音階)はブルーノートと言われる音が入ってる独特なものになります。例しにKEYをCとして検証してみましょう。
C調のハーモニカで出せる音階は「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」になります。それ以外はベンドと言って一つの穴の中にある吹き吸いのリードの間の音程を出すテクニックを使ってそれ以外の音を出します。1番の穴なら「ド」と「レ」の間で「ド#」の音を吸音ベンドで出します。KEYがCのブルーススケールは「ド・ミb・ファ・ファ#・ソ・シb・ド」となります。C調のハーモニカの中音部では「ミb」「ファ#」「シb」の音が出せません。そこで登場してくるのがクロスハープ(セカンドポジション)です。Cのクロスポジションは完全4度上のF調になります。F調のハーモニカはC調でいうところの「ファ・ソ・ラ・シb・ド・レ・ミ・ファ」という音階です。そのうち「ファ・ラ・ド」が吹音です。CのブルーススケールのうちF調の音階上にないのは「ミb」と「ファ#」になることが判ります。「ミb」は3番の穴を吸音ベンドで半音下げればOKですし、「ファ#」は4番の穴を吸音ベンドで半音下げればOKです。これでブルーススケールが全て吹けました。また、低音部では吸音でCのコードを出すことも可能ですし吹音ならFのコードも出せます。ブルースを吹く人はこのセカンドポジションで吹くことに慣れています。つまり2番の吸音(または3番の吹音)を主音として音階を作っていくポジションです。このポジションで吹いてメジャースケール(長音階)が出せるように設計されているのがリー・オスカーモデルのメロディーメーカーっていうハーモニカになります。同様にそのポジションでナチュラルマイナースケール(自然短音階)が出せるのがリーオスカーのナチュラルマイナーになります。
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Q、音が急に出なくなってしまったんですが?
A、急に出なくなった原因はいくつか考えられます。主だったものは「リードに異物が挟まっている」「ハーモニカが冷たいうちに吹いてしまい結露が起きてしまった」「リードが折れた」といったことが考えられます。
リードに異物が挟まったのであればそれを取り除いてあげればOKです。取り除くときはリードを痛めないよう充分気を付けて下さい。
冬場特に多いのですが、ハーモニカがまだ冷たいうちに吹いてしまう人がいます。息は水分を含んだ暖かい空気です。冷え切った金属の板であるリードに掛かれば当然結露が起きます。しかも唾は粘り気がありますのでリードの振動を止めるのなんて訳ありません。ハーモニカを手や懐で充分暖めてから吹いて下さい。
リードが折れてしまった場合は申し訳ありませんが諦めて下さい。リードは消耗品です。2年も3年も正常な状態であるはずありません。モデル(メジャーボーイ、ウルティモ、マイスタークラスなど)によってはリードプレートの交換が出来ますので、本体を買い換えるより安上がりです。
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クロマチックハーモニカ
Q、バルブ皮の付いているのと付いていないのがあるようですがどちらを選んだらいいのですか?
A、よく「初心者はバルブ皮のないモデルを選んでそこから始めた方がよい」ということを言っている人がいますが、私は全くでたらめだと思います。まるで硬式テニスを始めたい人に最初は軟式から始めた方がよいと言っているようなものです。バルブ皮の付いているものと付いていないものでは全く違うものなんです。
バルブ皮無しのものは一つの穴に一つの音という作りになっています。そう複音ハーモニカや教育用シングルハーモニカと同じようにです。ですから複音や教育用シングルと同じように吹いてレバーを使い半音の処理をしたいという人に向いています。
通常クロマチックハーモニカと言ったらバルブ皮の付いているモデルを指します。上記の人以外(殆どの人)はこちらを選んで下さい。
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Q、音が出しづらいんですけど。故障でしょうか?
A、この質問は複音ハーモニカを吹いていてクロマチックハーモニカを初めて手にした人から寄せられます。その多くは故障ではありません。下記のことをご理解いただきそれに該当しない場合故障かも知れません。直ちにハーモニカを送って下さい。
「ハーモニカ」と一括りに言っても、クロマチックハーモニカと複音ハーモニカでは発音原理は一緒ですが全く別の楽器です。そこの所を理解しましょう。
クロマチックハーモニカは、一つの穴に吹き吸いのリードがあります。吹いたとき吸って鳴るリードのところから息が漏れてしまい効率が悪くなってしまうのを防ぐためです。これが付いていると喉をしっかり開けてあげないと音が出てくれません。
複音ハーモニカは喉をそんなに開けずに口先だけの息でも音が出ます。それを基準にしてしまうとクロマチックハーモニカは「音が出しづらい」となってしまうのです。あくまでも別の楽器ですので比較することじたいナンセンスなのです。
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Q、音が出なくなり強く吹くと急にポンっていう感じで音が出ます。何が原因なのでしょうか?
A、これはバルブ皮とバルブ皮を上から抑えているセル板の間に水分が付着し、バルブ皮の動きが悪くなっているときに起こります。特に冬場まだハーモニカが冷たいうちに吹くとこの現象が起きやすくなります。手や懐で充分暖めてから吹いて下さい。
対処方法はヘラでそこの水分を取り除くことです。水分を乾かすのだからドライヤーを掛ければいいやなんて絶対思わないで下さいね。急激な温度変化はバルブ皮を痛める原因になり交換するしかなくなります。
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回答者はハーモニカ振興会認定指導員 藤倉久典(弊社代表取締役)です。